広間の円窓のすぐそばに生えている梅の木。今年は暖冬のためか蕾が膨らむのも早く、お正月過ぎにはちらほら咲き始めていました。
「鳥が、来んね…」というお年寄りのつぶやきを聞いたような気がした次の日、よりあいに来ると梅の木がこうなっていました。
しかしそのおかげで、今となってはなんだかよくわからない木に次々に小鳥が押し寄せてくるようになりました。
「あぁ、あぁ来た来た!!コスズメがきているよぉ!」
メジロなのですが、ヨウ子さんの「コスズメ」という呼び名はひじょうにかわいいですね。
こう来て、
ふんばって、
見て、
吸います。
あまい果肉に届かない・・
そこで、ぶら下がって、
裏から吸うのです。
この一連の愛らしい動きを、円窓を通して広間の中から毎日眺めることが出来るのは、椅子に座っている時間が長いお年寄りにとって、無上の喜びとなっています。
「まだメジロが来ない!」と方子さんは新聞を読みはじめ
「ふとぉか鳥がきてね、メジロがあっちさい逃げたよ!ちょっとはがいか!」とクニ子さんが笑い、
「こんなにいい風景がありますか、きょうは良い日です」とヨウ子さんが箸をやすめ一息ついています。
円窓を作って頂いた建築家の方と、桧原の自然の賜物に感謝しています。
宅老所から油山が見える縁側に続く丸い窓の景色は
額縁のようですね。私も大好きな窓の一つです。
梅の木の蕾をつつくメジロの様子が何とも愛らしい。
不安な日々を忘れ、写真を見入ってしまいました。
ヨウ子さんがふともらした言葉、「こんにいい景色がありますか、
今日は良い日です。」に共感。その横顔がいいですね。
ありがとうございます。あたたかくなってきたらお茶でもいかがですか。是非お立ち寄りください。