続・カギ

以前「カギ」と言う題でブログを投稿させてもらったが、その後の一大事を報告したい。

ある朝、一人のおばあちゃんがお部屋にいない。施設内どこを探しても姿がない!そして、職員の靴が一足見当たらない。

すぐに緊急連絡網を回し、近隣職員が探して回ることとなった。

日中は開け放しているカギだが、夜間は防犯のため閉め切っている。しかし、正面玄関の二重鍵を自分で開けて出て行ってしまったようだ。職員が他のお年寄りの部屋へ支援のために入ってしまうと足音が聞こえない時もある。

最悪の事態が頭をよぎる。見つからない時間が長い程に心配、不安、焦りが募っていく。

探し始めて1時間経過したころ、近隣警察署より保護の連絡があった。

ホッと一安心…とともに本人の気持ちに思いを寄せた…。

簡易的なカギであったにしても、まさか開けて出て行ってしまうなんて…。出て行ってしまったことの振り返りと反省はしっかりと行い、対応策も考えた。

セキュリティーの高い扉に頼ればこのような問題は起きないかもしれないが…。夜間、早朝は人手も薄い。暮らしの自由を担保するためのことだが、責任やリスクは果てしなく大きい。

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ただ、今の所、よりあいの森はアナログ路線を突き進むことにしている。

賛否両論あるとは思う。時代遅れと言われるかもしれない…。

介護ロボット、AI、眠りスキャン等々、この業界へはITの波が押し寄せている。

しかし…五感をフルに使って関わることを大切にしたい。

目の前のお年寄り一人一人の手と手、目と目を合わせ、話をし、耳を澄ます。

できる限りそんな関係を大事にしていきたい。

一つ間違えば管理や監視につながってしまうような関係性からは本当の意味での穏やかな暮らしは生まれてこない気がしている。

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