夜勤中の嬉しい話

夜勤中の午前4時頃。「お願いします。」とお部屋から声が聞こえた。いつもお手洗いのために職員を呼ばれるお祖母ちゃんからの声だった。

「よっこらしょっ」と徹夜業務で疲れている重い腰をあげ、そのお祖母ちゃんの所へ行っている。いつもだと「お手洗いへ…。」と言われるのだが、なんだか様子が違う。

「ちょっと、ちょっと、もうちょっとこっちへおいで。」と手をこまねいている。「どうしました??」と聞くと「何かお話をして?なんでもいいの。」とにっこり。このお祖母ちゃんとの関わりの中では、こんな展開は初めてだった。

このお祖母ちゃんは脳梗塞で入院後、本人が望まぬ胃婁を造られ、よりあいの森へ来られた。入院中の約半年間、胃婁からの栄養で過ごしていたため、食事を飲み込む力がずいぶんと落ちていた。

よりあいの森へ来て7カ月ほど…時折咽込むことはあるが、今では3食しっかり召し上がっている。

「もうじき、梅の花が咲く時期ですね。そして、その後は桜が咲きますね。」

「そうね。でも仕事ばかりしてたから、花見なんて行ったことなかったよ。」

「そうなのですね。今年はぜひ一緒に行きましょうよ!お団子持って!」

「行きたい!!お団子も食べたい!!」

「よっしゃ!!ぜひ!行きましょう!!」

朝の4時の出来事。たわいない会話。だけど、なんだか嬉しくなった。

このお祖母ちゃんは、つい何か月前までは外に出ることを頑なに嫌がっていた。こんな姿を周りの人に見られたくないと…。入院中に自信を失い、自分自身の存在に後ろめたさも感じていたのかもしれない。そして、食べることにも不安が一杯だった。

そのお祖母ちゃんからの「行きたい!!」と「食べたい!!」の力強い言葉。こんな言葉をひっそりと…期待して待っていた自分にも気づいた。

「ここのご飯はいっつも美味しいもん!元気が出るし、食べれるようになるよ~(^-^)」

美味しい物を美味しいと思って食べれること。みんなで食事を楽しめる場所があること。それは、ごくごく普通と思われる暮らしの積み重ねかもしれない。ただ、そんな当たり前の暮らしこそが一番大事なのかも…。

社会的には4Kなんて言われている介護職。確かに…楽な仕事ではありませんが(汗)その中でもキラリと光る嬉しさや楽しさ、驚きを見つけることで踏ん張ることができますね(^O^)/

これからも美味しい物をた~くさん食べましょうね!!無理せずに(^-^)

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夜勤中の嬉しい話” への6件のコメント

  1. 真夜中の優しい会話が聞こえてきました。
    昼間は職員さんが忙しいので、声かけづらかったのかも。
    ご自分の思いが伝えられて良かったですね。
    お花見の頃になります。お花見が楽しみですね。いってらっしゃい!

    • そうですね。夜中だからこその会話だったのかもしれません(^O^)お花見もみんなでワイワイ楽しみま~す(笑)

  2. 初めてこちらのブログに
    たどり着きました!
    読ませていただいて私まで
    嬉しくなりました。
    介護職を目指していて就活中の私に
    とって、力付けていただきました
    ありがとうございます!
    もっともっと元気になられたら
    いいですね!

    • 初めまして(^O^)嬉しいコメントありがとうございます。介護職目指してあるのですね!現場では七転八倒、色々ありますが、その中でも嬉しいこと、楽しいことがたくさんありますよ!共に頑張っていきましょうね!(^^)!

  3. 胃ろうされてた方も 少しずつでも 食べれるように なるんですね。 胃ろうしたら もう 生きるために仕方がないと思っとりました。施設は身体介助がメインだったりしますがブログを拝見してると本当に生活に密着されてて 人間らしさが当たり前になってて いいですね

    • コメントありがとうございます(^O^)これまで、胃瘻を勧められた方々でも食べれるようになる過程をたくさん拝見してきました。その方の状況にもよることだとは思いますが…。これからも当たり前の暮らしを大切にできるよう頑張ります!(^^)!

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