今年の7月に当ブログの 背中がかゆい に登場したおじいちゃんの話。
あれから半年程の月日が経ったが、その後もモリモリ食べて、ぐっすり休んで、背中をかいてもらって、元気にくらしている。段々とよりあいの森での暮らしに馴染んでこられた様子。
朝起きてくる際、調子が良い時は「上々!」と言って、二ヤリと笑顔をくれるようにもなった。
そんなおじいちゃんはいつの間にか女性職員の人気者になっていた。いつも、出勤してきた女性職員達から穴があくほど見つめられ、話しかけられる。
ある日、一人の女性職員がおじいちゃんに自分の気持ちを告白する場面に出くわした。
「わたし、りきおさんのことが好きです!」と大きな声での告白だった。
この仕事をしていると、お年寄りに対して、何とも愛おしいというか、愛らしく感じることがある。それは、決して不埒なものではない。曲がった腰に苦労を重ねたゴツゴツした手指、皺が深く刻まれた目尻、重力に従って垂れた瞼から覗かせるキラキラした瞳、スローな仕草から繰り出される営み、摩訶不思議な言葉の数々。
数え上げればキリがないほどの魅力で一杯!(^^)!時代はアンチエイジングだが、私達には、その生きてきた証が妙に魅力的に感じてしまう。
さて、突然の公開告白に、おじいちゃんは「???……。」の表情でジーッとその女性職員を見ている。
もしかして、聞こえていなかったのかな??と思い、今度は男性職員が「りきおさん、この女性がりきおさんのことが好きだって言ってますよ!」と伝えてみた。
返事を待つこと3秒。その応えは……
「め い わ く。にゃむ。」
あらら~(T_T)残念!おじいちゃんのお眼鏡にはかなわなかった~(T_T)
口数少なく、硬派な印象がありつつも、少し寂しがり屋で繊細な面のある黒目がクリクリしたおじいちゃん。曾孫世代の告白を「めいわく。」の一言で切って捨てた。
女心をくすぐり、男らしいやら、羨ましいやら…。
「98歳のモテ期」。長生きするって素晴らしい!けれど…年の取り方って難しい…と思った出来事でした(^O^)