チャリティコンサートレポート(後編)

チャリティコンサートもいよいよ大詰め。
みなさんお待ちかね「谷川俊太郎+DiVa」の登場です。
ステージ向かって右側の客席に陣取った「よりあい」のお年寄りたちも拍手で迎えます。
やんや! やんや!
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1曲目は「しあわせ」。ヴォーカル・まこりんの澄んだ声がチャペルに響き渡ります。

と、ここでいきなり最前列のお年寄りに動きが!
開始わずか1分で「よりあいの帰る姫」ことキヌエさんが、
「もぉ~帰りたい~」と駄々をこね始めた!
「出た!」。慌てる職員。
キヌエさん、なぜかお客さんに深々と頭を下げいきなりの退場です。

ちなみにキヌエさんはこのあと、ガラス張りのチャペルのロビーで、
「北九州市営モノレール」が来るのをずっと待っていたそうです。
自由でいいなあ~。

さて。コンサートはDiVaの演奏と、谷川さんの詩の朗読でぐんぐん進んでいきます。
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「願い」(抜粋)

分かろうとしないで下さい
私がうわごとを言いつづけるとき
意味なんか探さないで
夜っぴて私のそばにいて下さい
たとえ私があなたを突きとばしても

谷川さんが詩を朗読するたびに
「あーそんとおり、そんとおり! 私もそげん思いよったとこ!」
と、声に出して拍手する「よりあい」のお年寄りたち。

そう! きっとそれでいいのだ! 理屈なんかいらない!
それが音楽だ! それが詩だ! 楽しむってそういうことだ!
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チャペルに響き渡るDiVaの音楽。

そんな中、完全に戦闘態勢に入っているお年寄りが約1名。

「わしの出番はまだかね?」

どうやら「よりあいの歌番長」ことユキオさんは、
谷川さんの座っているイスを「次に歌う人が座る場所」だと思ってたみたいです。

こうして無事かどうかはわかりませんが、
チャリティコンサートは拍手喝采の中、幕を閉じたのでした。
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ヴォーカルのまこりん。ありがとう。
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ベースの大坪寛彦さん。ありがとう。
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そして、うんこの帽子をかぶったピアノの谷川賢作さん。
ありがとう。

終演後はステージでサイン会も行われました。
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打ち上げは「よりあいの森カフェ」で。夜遅くまで宴はわいわいと続いたのでした。
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最後になってしまったけど。

谷川俊太郎さん。
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いつもいつも「よりあい」の無茶なお願いを聞いてくださり、
本当にありがとう。

そしてなにより。
会場に詰めかけてくださったみなさま。
本当にありがとうございました。

立派かどうかはわかりませんが、きっと「いい老人ホーム」を作ります。

というわけで。
チャリティコンサートレポートは、これにて終了です!

チャイティコンサートレポート(中編)

チャリティコンサートも中盤戦に突入です。
中盤戦のトップバッターは「永遠の前座」として知られる
「リンダボーイズ」のファッションショー。
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「リンダボーイズ」の正体は「よりあい男性職員の有志」で、
(目立ちたがり屋とも言う)
メンバーのうち3人は夜勤明けの徹夜状態で本日のステージにのぞんでおります。

「特製Tシャツ」と「特製トートバッグ」の魅力を華麗にアピールし、
「より多くのお客さんに、たくさん買ってもらうズラ!」
と、大きな野望を持ってステージにあがったようですが、そこは「永遠の前座」たち。
なんのアナウンスもせずに退場したので、まったく意味不明なショーとあいなりました。
さすがです! 最高です! 谷川賢作さんもそこを絶賛されておりました。

さあ、問題は次の出し物です。まずは写真をご覧ください。
できれば写真をクリックして拡大版でご覧いただきたい!
(注:心臓の弱い方はご遠慮ください)
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恥幸夫&白永小百合による「いつでも夢を」リサイタル。
もうね、その正体についてはここでは書きませんがね、
小百合嬢の暴走ぶりときたらすごかったですねぇ。
大学チャペルで完全にやりたい放題!
デジカメもおかしくなったのか、なぜか小百合嬢の鼻の穴ばかりに
ピントがバチバチ合うという怪奇現象も起きました。
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うはははは。なんだこれは?
ちなみにこのリサイタルですが、
関係者もまさかこんな出し物があるなんて知りませんでした。
ま、これ以上書くと殺されますので、次の出し物の話。

続いては、谷川俊太郎さんを交えての「よりあいチャリティオークション」です。
まずは、この世に1枚しかない「谷川俊太郎直筆・ことばの色紙」から。
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2000円スタートがまたたくまに5000円、1万円、2万円と上がっていきます。
これには司会を務めた谷川賢作さんもびっくり!
「博多はどうかしてるぞ!」

続いての出品は、谷川俊太郎さんが着ていたTシャツを
ステージでひっぺがしてオークションにかけるという
「完全にどうかしている商品」。
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アシスタントの小百合嬢が会場をあおりまくります。
「脱ぎたてのホヤホヤ! 汗つき、しみつき、においつきでーす!」
これまた高額落札。
「博多は完全に狂ってる!」(谷川賢作さん発言)

このままいくと俊太郎さんが身ぐるみ剥がされることになりかねないので、
最後は「俊太郎さんと7分間、ふたりきりでお茶が出来る権利」。
うーん、やっぱ博多はどうかしてるのかなあ。
またまた高額落札でした。

というわけで、「よりあい」ならではの信じがたいオークションは、
熱狂と爆笑のうちにお開きとなりました。

ここで休憩です。

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会場のエントランスに設けられた「よりあいグッズ」ブースは大忙し。
Tシャツ、トートバッグ、そして「よりあいの森特製手作りジャム」
特にジャムは飛ぶように売れ、あっという間に完売しました。

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谷川賢作さん率いる「DiVa(ディーヴァ)」のCD販売ブースも
「すごく売れてます!」とにこやかポーズ。
なお、賢作さんの粋な計らいにより、
1枚の売り上げにつき500円が「よりあい」にカンパされました。
(賢作さん、ほんとにありがとう!)

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「よりあい」関連書籍と、俊太郎さんの本も販売。
こちらも大盛況です。

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「絹の会」は、作品展示。
タンスに眠っていた着物を洋服にリメイクした作品に、
多くの方々から問合せをいただきました。
これから徐々に一般販売もしていけたらと思います。

さあ、残すはメインイベントのみです。
が、この続きは、チャリティコンサートレポート後編
《よりあいに託された詩・その秘密の巻》でお届けしたいと思います。
お楽しみに!

チャリティコンサートレポート(前編)

9月7日、土曜日。空はあいにくの雨模様。

「みんなで老人ホームをつくるぞ!チャリティコンサート」
その会場となった西南学院大学チャペル前には、
それでもたくさんのお客さんが開場時刻前から並んでくださいました。
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今回のコンサートを取り仕切る「よりあい資金部会」隊長・後藤朱美みずから、
濡れた傘を入れるビニール袋を入り口で配ります。

そのころ、楽屋では。
会場で販売される本に、谷川俊太郎さんがサインをしたためられている最中でした。
サインが終わるとまるで紋章のようなハンコが押されていきます。
(あ、すべての写真はクリックすると拡大しますのでどうかよろしく)
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開演10分前。客席はすでにお客さんで一杯!
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最後の最後までチケットの売れ行きが思わしくなかった今回のコンサート。
でもフタをあければ、予定になかった2階席まで大開放です。
よかった!

さあ、いよいよ始まりです!
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司会を務めるのは、「よりあい」入職5か月目の新人・田中好。
「みんなで老人ホームをつくるぞー!」「つくるぞー!」
エイエイオー式の勝ちどきをあげてのスタートになりましたが、
この段取り、ついさっき決まったばかりです(笑)。
「よりあい」はいつもこうです。

最初に登壇したのは「よりあい」代表の村瀬孝生。
「よりあい」の歩みと、今、我々が目指そうとしていることについて、
会場を笑いに包みながらの45分です。村瀬節、炸裂!
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まるでアップル社のCEOが新型「アイフォン」を発表しているような写真ですが、
巨大スクリーンに映っているのは「よりあい」ができるきっかけとなった
大場ノブヲさんの写真だったりします。
また、堂々としゃべっているようにも見えますが、写真を拡大してよーく見てください。
緊張で顔が完全に引きつっております。
(これ、ここだけの話ね)

続くプログラムは、谷川俊太郎さんの登場です。
待ってました、谷川さん! 会場、われんばかりの拍手拍手。
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対談形式でいろいろなお話しをしていただきました。
そのほんの一部をご紹介します。

「僕の親父はね、僕と違ってとても社交的な人だったから。
死ぬ前日もパーティーみたいな所に出かけていって、夜遅くに帰ってきたのね。
で、おなかが痛いって言い出してさ。トイレに行って下痢したみたい。
そんでお尻が気持ち悪いからっていうんで、お風呂にも入ってさ。
『もう寝る』ってベッドに入って、翌朝、そのまま死んでたの。
これね、子供としては大助かりだったんです。
お腹の中のものを全部出して、しかもお風呂まで入っているわけでしょう。
きれいに死んだわけです。
ただ『変死』ってことでね、警察来たけど(笑)」

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「老い」と「死」をテーマにした対談は、完全に谷川さんペース。
言葉の魔術でふわりふわりとかわすたびに、会場には笑いが巻き起こります。

最後に「長谷川式スケール」による認知症診断を、谷川さんにもやっていただきました。
「ここはどこですか?」
「その質問には答えづらいなあ。だって宇宙は130万光年もあるっていうし、
今ここがどこかなんて特定するのは誰にも出来ないんじゃないの?」

さてレポートはまだまだ続きます。
次回、チャリティコンサートレポート中編
《怪物歌姫降臨の巻》にご期待ください!