星に願いを

1720252292904

今日は七夕でしたので、みんなで短冊に願い事を書きました。

自分で書くことができない人や願いを伝えることができない方は、どんなことを望んでいるのかを想像しながら代筆しました。そして、「願いよ届け!」とユニット広間の笹の葉に各々の短冊を飾りつけました。

DSC_3082

1人のおばあちゃんが「織姫さまと彦星さまにボロごしさまを良かごしさまに変えて欲しか~」と言いました。

見事に韻を踏んだこのお年寄りの願い事に感嘆しました。

けれども願いは切実です。

毎日、短時間座っているだけでどうしようもないくらいに痛みの走る「ぼろ腰さん」を新品の「良い腰」に変えてもらいたい!!というのです。

本人曰く、若いころに博多人形の色付けの仕事をしすぎて「たたられている」腰なのだそうです。それはぜひ新品の腰に変えてもらいたいですよね!!自分も腰痛持ちなので、気持ちは痛いほどわかります。私からも一緒にお願いしておきますね!

DSC_3084

また、この短冊には「色々なことをたくさんしたいと思うのですが思うようになりません」と書いてあります。願いというより強い思いを記してくれました。

まだまだ色々なことをたくさんしたいのに!体力、気力がついてきません!どうにかしてください!との思いを訴えたいのでしょうかね??

その色々なたくさんのしたいことって一体なんなのでしょうかね?「もーよか!きつか!」と言っている姿も思い浮かびますが、、。少しでもその願いを叶えられるように関わっていきたいですね。

DSC_3086

そして、今日のお昼ご飯は、短冊に書いたみなさんの願いが叶うようにと、ちらし寿司と唐揚げで豪華に景気を付けました。

1720252288587

お年寄りが自分の短冊を笹の葉に飾ると、先に飾ってあった他のお年寄りの短冊がヒラヒラと舞い落ちてしまいました。その落ちてしまった短冊を拾って、再度笹の葉に飾ると、今度は自分が飾った短冊がヒラヒラと舞い落ちてしまいます。

上へ上へと飾りつけたいお年寄りの思いとは裏腹にヒラヒラ、ハラハラと舞い落ちている短冊と、落ちた短冊を何度も拾って根気よく飾り付けを繰り返している様子をみて、一同笑いが起きていました。

よりあいの森はこんな感じの七夕日和でしたが、みなさんはどんな願いをしましたか??

「すんなり」

サダコさんは、10日間程入院され、今月初旬に無事に退院することができた。

職員達の喜びようは、わっしょいユニット広間に貼られた「おめでとう!」の幕を見ればわかる。退院祝いのメッセージは、一人だけでは満足できなかったようで、示し合わせたように2枚!別々の職員が書いた幕が壁に貼られていた。

DSC_2970

DSC_2971

入院前のサダコさんは、夜のパットを交換するときや、体の向きを変えるとき等、こちらが体を触ろうとすると手を振り払われる程に嫌がられる方だった。そのため、夜勤者は、嫌がることがないように、細心の注意を払いながら関わっていたり、時間をずらして再度関わることもしばしばだったのだが、、。

退院してきてからというもの、「すんなり」と体の向きを変えさせてくれるようになってしまった。なんの抵抗もないのだ。

「すんなり」と関わらせてもらえることは別に悪いことではないのだが、、なんだが、されるがままのサダコさんは、サダコさんじゃないような気がした。サダコさんらしくない、、感じ。

12369143819874

退院から10日ほどがたった朝の申し送りで夜勤者が報告した。

「今日は寝ている体の向きを変えようとすると、入院前のように体に触れた手を振り払われました。あ~なんだかサダコさんらしさが戻ってきたな~、元気になってきたんだな~と嬉しく感じました」と話していた。

夜勤者としては、体に触れただけで嫌がられてしまうと正直わずらわしさがあったりするのだが、「すんなり」言うことを聞いてくれるようになったサダコさんよりも、嫌がり、抵抗されるサダコさんの方がサダコさんらしくて嬉しく感じたのだった。

12386344199205

老いてくると段々とこちら側からの関わりを割と「すんなり」受け入れてくれることが増えてくる。「食事」「お風呂」「お手洗い」等、全てにおいての行為を身を任せてくれるようになってくる。

「すんなり」と身を任せてもらえるまでの過程は人それぞれで、ゆっくりゆっくりだったり、突然その日がきたりするのだが、「すんなり」な時期が来た、ふとした瞬間にこれまで関わってきた日々を思い、なんとなく寂しい気持ちになる。

あ~一緒にトイレに行くことも「すんなり」と受け入れてくれるようになったのか、、あれだけ嫌がっていたのにな~、あ~お手洗いの時のズボンや下着の上げたり下げたりもすんなりとさせてもらえるようになったのか、、こっぴどく怒られていたのにな、、と思う。

例えが適切がどうかはわからないが、親離れをしていっている子供の成長をみているような。爪を切ったり、耳垢とったり、歯を磨いてあげたり、ひらがなを教えてあげたり、、そういったことをいつの間にか自分でするようになって、親の手が少しずつかからなくなってきた時のような、ちょっと嬉しくも切ない感覚?感情?に似ている気がする。

12386344417499

実は入院をきっかけに「すんなり」「されるがまま」系?となって退院してくるお年寄りは多い。

サダコさんは10日間程の時間はかかったが、少しだけサダコさんらしさを取り戻してくれている。「すんなり」になるには早すぎる!!これまで時間を共に過ごしてきた自分としては、そんな人柄でもある気もする。

決して「老い」を認めていないわけではないし、できないことが徐々に増えてしまうことは当たり前のことで、関わっている自分達もそれぞれの方が老いていく過程は受け入れていかなければいけない。そんな風に頭では理解しつつも、その方らしさを取り戻せた時とか、その人らしさを不意に取り戻した瞬間に、大きな喜びを感じてしまう。

あるがままの「老病死」を認めつつも、「すんなり」な方になってしまうことが何だか寂しくなると言うのは、矛盾しているのかもしれない。

中には早く「すんなり」になってくれないかな~とか思う方がいることもあるが(笑)

そんな方でもやっぱり「すんなり」になってしまうと、なんだか「らしくない」じゃない、、とか思ったりもする。なにより「すんなり」いかないことがたくさんあればあった人ほど、後々の苦労話エピソードがより色濃くもなったりするもので、、。

12386344447518

「すんなり」いかない時の葛藤と、「すんなり」いくようになってしまった時の寂しさについて色々と思いを馳せることになった朝の申し送り。

何はともあれ、少し老いの階段を降りたサダコさんではあるが、その段差は最小限だったようだ。よかったよかった。

お花見 2023

IMG_2433

今年もよりあいの森の見事な桜の木の下で、みんな揃ってお花見をすることができました!(^^)!

IMG_2437
IMG_2435
IMG_2434

みなさんやっぱり花より団子!?ですね。焼き鳥、おでん、ちらし寿司、いなり寿司等々、た~くさん準備していたのですが、、花見が終わる前になくなってしまいました!

IMG_2440
IMG_2444

今年は、桜の花が咲いている期間に天気の良い日が続いたため、いつもより長く満開のきれいな桜を楽しむことができました。

やっと、、コロナの脅威が弱まってきている感じがしています。状況を見ながらになりますが、3年ぶりに再開できる地域行事やよりあいとしてのお祭り等が復活できる年となるかもしれませんね!!

まずは春を全力で楽しみたいです!

アゼルバイジャン

ボソボソと何か呟くようにおしゃべりをするお年寄り。

聞き取れそうで聞き取れないそのおしゃべりに職員達はもどかしさを感じていた。

一言でも聞き取れる言葉があった日には、みんなで歓喜し、広間に集まった人達の話題はそのことで持ち切りになる。

ある日、もっとこのお年寄りの言葉を理解したい!と熱意ある一人の職員がスマートフォンを取り出した。そして、いつものようにボソボソと呟くお年寄りの口元へスマホの翻訳アプリを起動させて近づけてみた。

line_191485783181196

自分達には「ボソボソ」としか聞こえていなかったが、翻訳アプリは正確に??その言葉を聞き取った。

文明の力、スマートフォンが出した答えは、なんと!

「アゼルバイジャン語」で「なんてこったい」としゃべっているとはじき出した。

アゼルバイジャン??※アジアとヨーロッパにまたがるコーカサス山脈とカスピ海に囲まれている旧ソ連の構成国。

そんな国の言葉をしゃべっていたのですか??とそのお年寄りを囲んで小一時間の盛り上がりを見せた。もちろん、朝の申し送りでも重要事項として引き継がれた。

しかし、昨今のテクノロジーの進化には早すぎてついていけない。

近い将来、何を言わんとしているのか、何を考えているのか、行為の裏側にある気持ち等をAIによってデータ解析され、全部読み取られる時代が来るのではないだろうか。

すでに介護現場では、膀胱センサーや眠りスキャン等の機器は活用され、身体面での見える化?に使用されているようで…。

line_191427982822871

顔を合わせて話をし、手探りしながら緊張感を持って築き上げていく関係作りは非効率とされ、AIによってプランが作成され、マニュアル通りにお年寄りとの関係をつくるようになる時代に突入していくのでしょうかね。

ICTやAIの活用によって効率的になり、便利になる面は多々あるとは思うが、それと引き換えに失われていくものの方がむしろ大きいような気がする。

line_191436347008808

自分達は、これからも曖昧さのある牧歌的な暮らしの中で、一人一人が集いの中で醸し出す小さな小さな物語を楽しみたいと思うし、むしろ、それがこの仕事の醍醐味でもある。

アゼルバイジャン語?で盛り上がれるくらいがちょうど良いかな~(^O^)

1654241893261

lineスタンプ

⇑⇑⇑ オリジナルラインスタンプ発売中(^O^)

海へ

梅雨の合間、ここ最近の天気が嘘のように晴れた福岡市。

今日はどこかドライブでも行かなければもったいないと、お年寄りと相談。

「海なんかいいね!行こう!行こう!」と会話は弾み、お昼ご飯も早々に済ませ、少し早めの夏を感じに、海へといって参りました。

IMG_9488

澄み渡るような青い空と海に、「気持ちがいいね~」と気分も最高潮!

IMG_9493

車に乗り込む前は「私は行きません!」と言っていたお年寄りもこの笑顔。

職員も「よっかたぁ~」と一安心!(^^)!

IMG_9491

IMG_9490

よりあいの森に帰って来てから、今日の感想をお年寄りに聞くと

「そうですね。また行きましょう!!」

「いや~もう今日は疲れたから、もう行かん。行かんよ。」

「ウフフフ、そ~ね~」

と、三者三様( ゚Д゚)笑

なにはともあれ、梅雨のジメジメを吹き飛ばすような、初夏の思い出ができました(^^♪

もちろん3密の場所を避けたドライブです<m(__)m>

 

 

介護職募集 看護師募集【よりあい・よりあいの森】⇐求人情報です。clickしてください。

http://www.instagram.com/yoriainomori/?hl=ja よりあいの森Instagram