風鈴を見に

隣に座っていた職員が『篠栗町の山王寺に4000個の風鈴』の記事を見つけました。

山王寺では、”若い人にも是非訪れてほしい”と数年前から夏シーズンに風鈴の飾りつけを始めたとのこと。

「4000個の風鈴が見に行きたーい」とのことで、お年寄り5人職員3人、さっそく午後から篠栗町の山王寺へ向かいます。 第二よりあいから都市高を使って40分ほどで到着しました。 新緑美

お天気もよく、新緑がとても美しいです。

写真駐車場から風鈴にたどり着くまでのルートは2つありました。

ある方は「この階段は急で登るのはむずかしそう」と緩やかな坂を50Mほど歩いて。。 また、別の方は30段以上ある階段を上がって。

ついてきてる?

皆さんそれぞれ境内の上の方にある風鈴の場所に向かいました。

風が吹く度にカラカラカラ…。

風鈴群

藤城逸見

よく見ると風鈴の短冊には訪れた人の願い事が書いてありました。

「私たちも何か願い事を書きましょうよ」と職員が風鈴を一つ買ってきました。

瑞枝さんに「代表で書いてください」とお願いすると、「なんて書いたらいいかな・・・」と言いながら、さらさらさら。

皆健康で

「健康でよりあいのみんなが楽しく過ごせますように!」

平川短冊

これからも、思い立ったが吉日。みんなで楽しんでいきましょう。

散歩日和

第2よりあいに、皆さんが集まって来られます。
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「おはようございます」

「今日はお変わりありませんか?」

「ええ、普段と変わりませんよ」

 

お茶を飲んで一服、、、飲み終わると、、

 

「さて、じゃあ私はこれで失礼します」

「家に父と母が待っていますので…」

「では行ってきます、お世話になりましたー!」

ある人は外を眺め、興味深々の様子。

腰が少し浮いています…。

「どこに行くんですか…?」

 

お年寄りはここに来ていることをどう思っていらっしゃるのでしょうか?

 

「家はこっちの方だったかな?あなた知ってる?」

「方角はこっちですけど、遠いですよ」

2人、てくてくと歩きます。
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途中、近所の人から挨拶「お散歩ですか?気持ちいいですね」

すぐ近くにある小学校、中学校の登下校とも一緒になります。

そろって「こんにちは」笑顔。

子供たちの無邪気な姿に、自然と笑みがこぼれます。

しばらく歩くと足元がふらふらして、見ている方も少しヒヤヒヤ。

その時には互いの距離が縮まり、自然と手を貸しています。

「疲れた、きつい、、、まだ家には着かないのかな?」

「そうですね、一旦戻ってから車で行きましょうか?歩くには遠すぎますよ」

「それだと助かる、あなたは行き方を知っていますか?」

 

心にある父と母の待っている家に一緒に歩いて帰る。

道中にも迷いや困りごとがあり、相談し合って前に進む。

歩いているうちに気持ちも変わり、職員の判断に委ねる。

そこには信頼があります。

季節を感じるドライブも良いですが、一緒に歩くことはお年寄りとの関係が深まり、地域との繋がりも感じています。

コロナで色々なことに制限がかかる中で、「歩く」ことに気付かされることは多いです。

ようやく帰り着き「はあ~くたびれましたね~」
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「それでは、お邪魔しました~」

「またですか~⁉」

「どこに行くの?私も一緒に行っても良い?」

「よーし、みんなで桧原桜見に行きますか~!」

第2よりあいの日常です。
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よりあいはひとりひとりのお年寄りの思いを尊重出来る支援を目指しています。

それはお年寄りの「いまこの時」を大切にし、職員も柔軟に対応できる体制作りを意味しています。

 第2宅老所よりあい、よりあいの森では、職員を若干名募集しています。

興味のある方は、見学に来ていただいてその雰囲気を感じながらお話が出来ればと思います。よろしくお願いします。

◎お問合せ
〒814-0104 福岡市城南区別府7丁目9-22
特別養護老人ホームよりあいの森
☎092-845-0707 担当:椎原・吉満

介護職募集

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生まれて初めて

よりあい通信でもご紹介した御年100歳のミズエさん。

支え、支えられ、笑い合いながら過ごされています。

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夕方、ドライブへ出かけました。

「ミズエさんは、福岡ではどんな場所が好きですか?」

「天神から美術館とかには、バスに乗って行っていたけど、他は行ったことないですよ。」

「車に乗るのは好きだけど、誰も連れてってくれる人も居ないし、諦めていました。今こうしているのは、すごく楽しい。でも、あなた達大変そうだから、申し訳ないと思って…。」

やはり職員に気を使われている…。何だか申し訳ない気持ちになりました。

「じゃあ、近くで良いところ知っているから、行ってみましょうか?」

「お願いします。連れてってください。とっても楽しみ。」

行った場所は…。

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「うわぁ!?何これ綺麗!裾模様みたーい!」

「う、うん?裾模様??」

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「本当に綺麗…宝石みたい。あの赤いのがルビーでしょ?青いのはサファイア…。」

「こんなの、生まれて初めて。本当に綺麗…。生きてて良かった…。」

「そんなにですか?(笑)喜んでもらえて良かったです。」

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「ああ、いつまでも見ていたい。本当に綺麗…」

「いつもは下から見ているでしょう?これは上から見下ろしていますよ。」

「家はどこらへんかな?第2よりあいは?」

100年で初めて目にする光景に感激は止まりません。

 

帰りの車内。「あそこはアベックだらけだったね」と笑いだされました。

「やっぱり気付きました?それを言うなら我々も…(笑)」

「あはははは、そうですね。」

 

ミズエさん。おそらくはあのアベックの誰よりも感激が大きかったと思います(笑)

まだまだ行ったことの無いところが沢山ありますよ。

ぜひご一緒させて下さい。

命拾い

油山の尾根から灰色の雲が近づいてきて、涼しい風が桧原のまちに夕立を運んできました。

「これで涼しゅうなる!」といって、窓際のソファで雨に濡れはじめた隣家の瓦屋根を眺めていたクニ子さんは、おもむろに腰を上げて外のデッキへつながる出口のほうへ歩んでいこうとされます。

少し不自由な右足を引き摺りながら、ピアノのふたや長椅子の背もたれをつたって、ようやくたどりついたガラス戸を開けると、側に置いてある工具やら庭弄りの道具がごちゃごちゃ入っている白い発泡スチロールの箱の中から、迷うことなく花切ばさみを取り出し、そのままデッキの向こう側のゴーヤのグリーンカーテンのほうへ向かわれました。

一歩ごとに右側にかくん、かくん、と傾きながら、地面まで40センチほどの高さのあるデッキの端に向かう後姿を見ていたら、そのままグリーンカーテンに突っ込んで地面に落ち、視界から消えるクニ子さんの姿が脳裏をよぎって、すこし冷や汗が出てきます。

「用心してね」と声をかけたいのをぐっとこらえて、いつ転んでも咄嗟に掴んで支えられる距離を保ちながら、気付かれないようにそっと後ろをついていきました。

 

「ついてこんで、よかとよ。」

「いや・・私も夕立に用があるので。」

 

後をつけていたことがばれていたことにうろたえ、わけのわからない返答をしていると

「このみたんなかとば、すっぴゃー押し切ってしまおう」

(このみっともないものをすべて切ってしまおう)

と枯れたゴーヤのツルをハサミで指して、にっこり微笑みかけてくださいました。

 

枯れていく葉を眺めるのも一興ですが、クニ子さんはとてもきれい好きです。

8月の終わりごろから、日が暮れるとはさみをもって、茶色くなり始めた葉っぱを片っぱしからむしり取っていくのが日課のようになっておられるのでした。

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通り雨のおかげで、デッキには心地よい初秋の空気が満ちていたので、今日はゆっくり作業してもらおうと椅子を用意しました。

「椅子なんかいらんよぅ、よかとけー」

と言いながらゆったりと腰を下ろして、網に絡みついて取りづらいゴーヤのつるを、しわしわの手でひとつひとつ丁寧にほどき、網まで切ってしまわないように一心に目を凝らしながら、

ぱちん・・ぱちんと・・

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・・おもいっきり網もろとも切っておられます・・

 

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「クニ子さん、それあみやん!」

「はぁあん!!?怒」

「いえ・・何でもないです。ところでそこの実、なんかもう上のほうが黄色くなっているし、切ってもいいんじゃないですかね?」

と聞いたところ、

「いんにゃ、これはまだ生きとるよぅ・・。」

と言って、こんどはゴーヤに微笑みかけ、つかんだ手をそっと元に戻されました。

あすの朝は、スッキリとよみがえった緑のカーテンの真ん中で命拾いしたゴーヤが、静かに顔を出していることでしょう。

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何の木?

広間の円窓のすぐそばに生えている梅の木。今年は暖冬のためか蕾が膨らむのも早く、お正月過ぎにはちらほら咲き始めていました。

「鳥が、来んね…」というお年寄りのつぶやきを聞いたような気がした次の日、よりあいに来ると梅の木がこうなっていました。

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さじ加減、という言葉が思い浮かびました・・・。

しかしそのおかげで、今となってはなんだかよくわからない木に次々に小鳥が押し寄せてくるようになりました。

「あぁ、あぁ来た来た!!コスズメがきているよぉ!」

メジロなのですが、ヨウ子さんの「コスズメ」という呼び名はひじょうにかわいいですね。

こう来て、

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ふんばって、

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見て、

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吸います。

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あまい果肉に届かない・・

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そこで、ぶら下がって、

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裏から吸うのです。

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この一連の愛らしい動きを、円窓を通して広間の中から毎日眺めることが出来るのは、椅子に座っている時間が長いお年寄りにとって、無上の喜びとなっています。

「まだメジロが来ない!」と方子さんは新聞を読みはじめ

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「ふとぉか鳥がきてね、メジロがあっちさい逃げたよ!ちょっとはがいか!」とクニ子さんが笑い、

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「こんなにいい風景がありますか、きょうは良い日です」とヨウ子さんが箸をやすめ一息ついています。

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円窓を作って頂いた建築家の方と、桧原の自然の賜物に感謝しています。