2023年 よりあいの森の納涼祭

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先月の話ですが、毎年恒例となっている、よりあいの森「納涼祭」を開催しました。

今年の納涼祭は、よりあいの森と隣接した古民家につどっている「ちゃちゃルーム」の子供たちと一緒に楽しみました!(^^)!

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しゃぼん玉に輪投げに金魚すくい。

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かき氷づくりに千本くじ。

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みなさんお待ちかねの「SADAKO BAR」の「さだこママ」も久しぶりに出陣していましたよ!

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そして、今年のお神輿は子供たちを担いで「わっしょい!わっしょい!!」みんなで一緒に「和」と「輪」を背負って大いに楽しみました。

〆はいつものことですが、みんなで花火をして夏を堪能しました!(^^)!

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子供たちとともに納涼祭を楽しむのは初めてのことだったので、いつもと違う雰囲気?のはずなのですが、なんとなく今までも一緒にいて楽しんでいたかのような自然な感じの中で、お年寄りと子供たちが交わり、一夏の思い出をつくることができました。

これからもよりあいの森のお年寄り達だけではなく、デッキでつながった古民家に集う地域の方々とも一緒になって、この場をつくっていけたらな~と思います(*^^)v

夏祭り is back!!

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今年の夏は実に4年ぶり!!に高取商店街で開催される「高取夜市」の夏祭りに出店させていただきました!

7月22日(土)を皮切りに7月29日、8月5日と、3週連続土曜日の夜に「よなよな」よりあいの森の資金づくり部隊が出動しました。

コロナのために3年間お祭りを開催できなかったこともあり、3日間とも大賑わいで、商店街には人人人人!!みーんな笑顔で楽しそうで!(^^)とっても賑やかでした!久しぶりにお祭りの熱気と言うか、熱い夏の気分を思う存分味わうことができました!

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よりあいの運営は資金づくりとともにあります。

自分たちの職場は自分達でつくる!という思いのもと、バザーやセミナー、マルシェを開催しました。オリジナルのTシャツ、トートバッグ、手ぬぐい、手作りジャム等の販売もしてきました。また、オリーブオイルにオリジナルLINEスタンプhttps://line.me/S/shop/sticker/author/1683591、オリジナルグッズなどは、今現在も販売しています!

よりあいの森、宅老所よりあいは、お年寄りの「今」に応えるために国が定めた介護保険制度における人員配置よりも手厚い職員体制を整えています。

と、言うことは、それだけの人件費が嵩んでしまうわけでもあります。

また、よりあいの森は、地域密着型の小規模な特養です。本来は大規模特養のサテライト的な役割であるため、そもそもが厳しい運営形態となっております。また、宅老所も決して大きな事業所ではありません。

そんな限られた介護報酬の中で、この人件費をやりくりすることは、とても難しいのが今の日本の介護事業所の現状です。

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運営が厳しいのであれば、人員を減らせば良いのでは??との提案も聞こえてきそうですし、ごもっともな意見であることに間違いはありません。

しかし、本当にそれで良いのでしょうか??現場から人がいなくなって、お年寄り達にとって何か良いことがあるのでしょうか??

これまでのような関わり方や支援ができなくなることは目に見えているし、人がいなくなった分、職員達の負担は増え、慌ただしく関わらなければならなくなります。その反動は、すべてお年寄り達の暮らしに降りかかってきて、穏やかでゆっくりと流れるお年寄り時間は限りなく少ないものとなっていくことでしょう。

そんなことを想像したうえで、運営のために人員削減の選択することって本当に良いことなのでしょうか?と問われると、自分たちの応えは「良くないと思いまーす!!」です。

だから、よりあいは資金づくりに励みます。細々とでも、資金づくりに励みます。

お年寄り達の支援をより良いものにしたいから、できる限り「今」に応えていきたいから、職員数の少ない、寂しい、慌ただしい現場にしたくないから、自分たちの職場は自分達でつくっていきたいから、資金づくりに励んでいます。

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正直、もっと介護報酬を増やしてもらいたい気持ちで一杯です。福祉、介護職員の給料はご存じの通り決して高くはありません。

ですが、何らかの支援が必要になってしまったお年寄り達にとっては、絶対にいなければならない存在です。

生きていれば、長生きすれば、みーんな年をとります。

超高齢化社会の日本は、もうちょっと自分達、福祉職の重要性に気付いてくれなきゃいけないと思うのですが、、、すみません。ただの愚痴ブログになってしまいそうなので、この辺りで〆とします。

日本社会も、世界から随分と遅れをとりましたが、コロナへの耐性もついてきました。なので、これから徐々に、よりあい名物?「資金づくり号」と言う車にガソリンを入れ、エンジンをかけ、ブイブイいわせていきたい気分であります。

それでは、みなさま、これからも応援のほどよろしくお願いいたしまーす(‘◇’)ゞ

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“その歌”は

ある日のことでした。いつものように集いの場で、皆さん新聞を読んだり、おしゃべりをしながら過ごしていました。

その中で、フサエさんが”その歌”を突然歌い始めました。フサエさんが歌うのは決して珍しいことではなく、”げんじ唐いものうた”という十八番の歌があります。

けれど、”その歌”は初めて聞く歌!!

「これ、何の歌?」フサエさんと付き合いの長い職員も聞いたことがないのです。周りにいた職員がざわつき始めます。

「フサエさん、もう一度歌ってください」と隣にいる職員がお願いすると、フサエさんはまた歌い始めてくれました。

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「あめのひ かぜのひ やしないし たかやけんじのいきみずや うぶすのかみのさもあらず われらにしょうりはきっとあり いわえきたえし うちのうら いわえきたえし うちのうら」

早速、職員は歌い出しやメロディを検索するのですが全くわかりません。周りのお年寄りに尋ねてみても、誰も知りません。

「しょうりはきっとありってあるけん。軍歌じゃないと」と一人が言います。すると誰かが軍歌で検索します。けれど、これも出てきませんでした。

「うちのうら」はフサエさんの故郷です。今度は「うちのうら」をキーワードに調べましたが・・・、わかりませんでした。

この日は何度フサエさんに歌ってもらったでしょうか。聞いていた職員も覚えてしまうほどでした。けれど、結局何の歌かわからないままでした。

夕方になって、フサエさんをお迎えに娘さんが来られました。”その歌”について職員が娘さんに尋ねると、それはなんとフサエさんの小学校の校歌なのでした。

Σ(゚Д゚)!!

私たちは、今日一日のモヤモヤがすう~と晴れていくような気持です。そして娘さんも一緒に、もう一度フサエさんの”その歌”を皆で歌いました。

あれから、一年近くが経ちます。フサエさんは今も時々”その歌”を歌います。歌い始めると、職員も他のお年寄りも一緒に歌います。あの日から、”その歌”は、私たちも知っている歌になりました。

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食べる口??

食べてもらうタイミングが難しいお年寄りがいる。

食べる気持ちがない時は、開いている口の中へおかずやご飯を運んでも、開きっぱなし。モグモグは一向に始まらない。どんなに話しかけても、問いかけても、体をゆすっても、口のマッサージをしても、甘いものや好物を準備しても、お通じがしっかり出た後だとしても、その口は開きっぱなし。

なので、そんな時は諦めるしかない。食べよう!食べたい!という気持ちになるタイミングを待つ以外打つ手はない。

その日もお昼ご飯の準備はしていたが、みんなが広間で食べている時間帯には食べる気持ちは湧いてこないらしく、口が開きっぱなしで閉じる様子は見られなかった。

周りのみんなが食べ終わるくらいの時間が経過した時、そのお年寄りの近くにいた一人の職員が「今の口は食べる口っぽい。食事の準備をしましょうかね。」と言った。

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普段そのお年寄りと関わる時間が少ない自分は、その言葉を聞いて「食べる口??」とはなんぞや??と思った。これまでその方の口の形と食べるタイミングに注目したことがなかった自分は、最初は疑心暗鬼で様子を疑っていたのだが、、。

すぐに疑ってしまった自分を恥じることになった。パクパク、モグモグ、ムシャムシャ、あっと言う間に一人前をペロリと平らげた。

見た目的に「ポカン」と口が開いているときは食べてくれる期待値は低い。けれど、若干口が開いている面積、広さが狭まっていて、上の唇がすぼんでいるときは、食べてくれるパーセンテージが高いとのことだった。

そのお年寄りのことをよく知っているからこそ見抜けることだな、、と感嘆した。また、常日頃から集いの場がうまく作れているからこそ、そんなお年寄りの小さな動きや合図、食べてくれるタイミングに気づくことができているのだろうな、、とも思う。

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介護業界では、AIやICTを活用し、業務?の生産性や効率性を上げることを目指す動きが着々と進行している。高齢者社会をいち早く迎えた介護の先進国として、介護用AI、ICTを日本から世界へ売り出そうという目論見もあるのだろう。

果たしてAIやICTが、食べてくれる絶好のチャンスである瞬間やタイミングをどのよう気づき、教えてくれるのだろうか。

仮に教えてくれるとしてのイメージをしてみる。監視カメラのような物で、お年寄りの顔をモニターに映し出し、口の形にフォーカスし「今なら食べてくれるよ~」と言う電子音が鳴り、その人の元へ職員が向かう。食べてもらった後、職員はまたモニターの前に行き、画面とにらめっこ。

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そんな暮らしの場を望んでいるお年寄りは果たしているのだろうか。もちろん、そんな場所に集いの場なんて概念はなく、全てのことが個別に行われていくのだろう。

年老いた先に、AIから暮らしに関わる重要なタイミングを判断、把握され、もしくは管理、監視され、関わってくれる主体が人ではない高齢福祉の世界が待っていると想像すると、年をとることで自分の身の回りのことができなくなることに大きな不安を覚えてしまう。

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老いること=不安である社会の中では、生きていく上で一番大事なものが常に「健康」と言う思考から解き放たれる日は来ないような気がする。コロナ禍を通して、「健康」を守るために捨て去っていくものにこそ、本当に大切にすべきものがあるのではないだろうかとも感じる今日この頃。

また、老いた先にそのような未来が待ち受けている国「日本」の出生率は、今後も上がるとは到底思えない、、のは自分だけ?「生老病死」はどうしたって一本の線に繋がっているのだから、、。

これからも、よりあいの森は、「食べる口」に気づける場所であること。「食べる口」になっていることを気づいてくれる職員がいる場所であり続けたい。

そのために今日、「今」の集いの場を作り続けていきたいという思いに至った出来事の話でした(*^^)v

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お伽の国

この日は、第二よりあいから車2台で野多目大池を目指して住宅街をゆっくりゆっくり走っていました。家々の庭先には、ツツジが咲き誇っています。

ある家の前を通ると、赤い実をたくさんつけた木が目に留まりました。先頭の車が見えなくなってしまいましたが、車を止めるようにしながら「この木見てください。なんかたくさんの実がついてますよ。なんの木でしょうね」と助手席のチエ子さんに話かけました。チエ子さんは窓から顔を出して、「まあ、ほんと」と驚きました。
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赤い実がぎっしりと付いているその木には、大きなリンゴもぶら下がっています。不思議に思いながら目線を落とすと、玄関先に男性が座っていました。車を停止して、「すいませ~ん」と声をかけました。

「ここを通りかかったら、木に赤い実がたくさんついていて、リンゴもあって・・。リンゴの木ですか?」と尋ねると、「これはね、全部作りものですよ」と返ってきました。そして、その方は庭先からテーブルを持って出てこられました。

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車を降りて、テーブルのそばに行きました。そのテーブルの上には、たくさんの菓子パンが並べてありました。そして、これが全部作り物であることに目を丸くしました。一つお借りして、「これ、木で作っているそうなんですよ」と車中に持ち込みました。

「ほ~う、よく出来てるね」と、手に取ってかじる真似をするチエ子さんと目が合い笑いました。ハルコさんも「これ、にせもの?」と表も裏もくまなく見ておられました。

そうしている内に、先を走っていた車が、後車がついて来ないことに気づき引き返してきました。家の方は私たちを歓迎してくれ、皆さん車から降りてお庭を見せてもらいました。
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「よくできますね~」とミズエさん。本物そっくりのパンに釘付けでした。
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いろんな木の彫り物が、あちらこちらに飾られています。
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この家の方は出口さんおっしゃって、もともと大工さんをしておられたそうです。仕事を引退して、木で彫り物を始められたとか。ご近所さんやここを通る方が、お庭の飾りを楽しみにしてくれていることがとても嬉しいと笑っておられました。
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途中から隣に住む小学生の女の子が、江口さんに作ってもらったぬいぐるみの家を持って遊びに来てくれました。野多目大池を目指していたことをすっかりと忘れ、偶然出会った方々とにぎやかで楽しい時間を過ごしました(#^^#)

まるで、お伽の国に迷い込んだかのようなひとときでした。