カフェの玄関。
パンジー以外の花の名前を僕は知らん。
この花も知らん。
あんずの花。桜のような淡いピンクの花。
伐採が予定されているので、もう今年で見納めかも。
裏庭にはビニールひもが張られている。
まるで事件現場のようである。
何をしているかというと、ひもを図面通りに張り巡らせて、
特養のおよそのイメージをつかもうとしているのである。
つまり「エア特養」というわけである。
建築士の神野さんと、第3の職員・稲田君が「エア特養作り」に励んでいる。
目標となる杭を打ち込む。
「こっから2メートル40で直角出してください」
元現場監督の経歴を持つ稲田君は、こういうとき頼もしい。
「あ、そこでうんこしてるのおまえだろ?!」
「いや、自分はにおいを嗅いどるだけであります!」
で、なんとなーくひもを張り巡らせてみたものの……
「なんか図面と違う気がする……」
「うははははは」
木が邪魔で、うまく直角が出せなかったのが敗因のようです。