「すんなり」

サダコさんは、10日間程入院され、今月初旬に無事に退院することができた。

職員達の喜びようは、わっしょいユニット広間に貼られた「おめでとう!」の幕を見ればわかる。退院祝いのメッセージは、一人だけでは満足できなかったようで、示し合わせたように2枚!別々の職員が書いた幕が壁に貼られていた。

DSC_2970

DSC_2971

入院前のサダコさんは、夜のパットを交換するときや、体の向きを変えるとき等、こちらが体を触ろうとすると手を振り払われる程に嫌がられる方だった。そのため、夜勤者は、嫌がることがないように、細心の注意を払いながら関わっていたり、時間をずらして再度関わることもしばしばだったのだが、、。

退院してきてからというもの、「すんなり」と体の向きを変えさせてくれるようになってしまった。なんの抵抗もないのだ。

「すんなり」と関わらせてもらえることは別に悪いことではないのだが、、なんだが、されるがままのサダコさんは、サダコさんじゃないような気がした。サダコさんらしくない、、感じ。

12369143819874

退院から10日ほどがたった朝の申し送りで夜勤者が報告した。

「今日は寝ている体の向きを変えようとすると、入院前のように体に触れた手を振り払われました。あ~なんだかサダコさんらしさが戻ってきたな~、元気になってきたんだな~と嬉しく感じました」と話していた。

夜勤者としては、体に触れただけで嫌がられてしまうと正直わずらわしさがあったりするのだが、「すんなり」言うことを聞いてくれるようになったサダコさんよりも、嫌がり、抵抗されるサダコさんの方がサダコさんらしくて嬉しく感じたのだった。

12386344199205

老いてくると段々とこちら側からの関わりを割と「すんなり」受け入れてくれることが増えてくる。「食事」「お風呂」「お手洗い」等、全てにおいての行為を身を任せてくれるようになってくる。

「すんなり」と身を任せてもらえるまでの過程は人それぞれで、ゆっくりゆっくりだったり、突然その日がきたりするのだが、「すんなり」な時期が来た、ふとした瞬間にこれまで関わってきた日々を思い、なんとなく寂しい気持ちになる。

あ~一緒にトイレに行くことも「すんなり」と受け入れてくれるようになったのか、、あれだけ嫌がっていたのにな~、あ~お手洗いの時のズボンや下着の上げたり下げたりもすんなりとさせてもらえるようになったのか、、こっぴどく怒られていたのにな、、と思う。

例えが適切がどうかはわからないが、親離れをしていっている子供の成長をみているような。爪を切ったり、耳垢とったり、歯を磨いてあげたり、ひらがなを教えてあげたり、、そういったことをいつの間にか自分でするようになって、親の手が少しずつかからなくなってきた時のような、ちょっと嬉しくも切ない感覚?感情?に似ている気がする。

12386344417499

実は入院をきっかけに「すんなり」「されるがまま」系?となって退院してくるお年寄りは多い。

サダコさんは10日間程の時間はかかったが、少しだけサダコさんらしさを取り戻してくれている。「すんなり」になるには早すぎる!!これまで時間を共に過ごしてきた自分としては、そんな人柄でもある気もする。

決して「老い」を認めていないわけではないし、できないことが徐々に増えてしまうことは当たり前のことで、関わっている自分達もそれぞれの方が老いていく過程は受け入れていかなければいけない。そんな風に頭では理解しつつも、その方らしさを取り戻せた時とか、その人らしさを不意に取り戻した瞬間に、大きな喜びを感じてしまう。

あるがままの「老病死」を認めつつも、「すんなり」な方になってしまうことが何だか寂しくなると言うのは、矛盾しているのかもしれない。

中には早く「すんなり」になってくれないかな~とか思う方がいることもあるが(笑)

そんな方でもやっぱり「すんなり」になってしまうと、なんだか「らしくない」じゃない、、とか思ったりもする。なにより「すんなり」いかないことがたくさんあればあった人ほど、後々の苦労話エピソードがより色濃くもなったりするもので、、。

12386344447518

「すんなり」いかない時の葛藤と、「すんなり」いくようになってしまった時の寂しさについて色々と思いを馳せることになった朝の申し送り。

何はともあれ、少し老いの階段を降りたサダコさんではあるが、その段差は最小限だったようだ。よかったよかった。

匂いおこせよ藤の花

雲一つ無いよく晴れた日に舞鶴公園の藤園へドライブに行きました!

毎年のように見に行っている舞鶴公園の藤園は、今年も綺麗に藤が垂れ下がっていました✨

0_IMG_5990

調べてみると樹齢100年以上にもなる老木もあるそうです( ゚Д゚)!!

3_IMG_6002

観光客の方も多く、皆さんにこやかに記念撮影する姿もみられました。

スマホを持っているお年寄りも「綺麗だね~」と写真を撮っていました。

1_IMG_5996

「いい写真が撮れたね!」と満足そうでした(´ω`*)

IMG_5985

また来年も綺麗な藤を見に行きましょうね!!

 

~こぼれ話~

藤園の近くでウエディングドレスを着た花嫁さんが写真撮影をされていました。

その様子を見ていたお年寄りが一言。

「きれいな背中は目の保養になるねぇ~♡」

2_IMG_6003

花嫁さんにうっとりなお年寄りでした( ´∀` )♡

 

家探し

ある日の午後、よりあいの森に暮らしているお年寄りが戸建ての物件を探していた時のお話をされ始めました。

お年寄り:「私がね、旦那さんと子供を連れてね、この辺りで住む家を探していたのよ。それでね、不動産屋さんに行ってね、色々な場所へ案内してもらったとやけどね。」

職員:「うんうん、それでそれで??」と突然始まった物件探しの話を何抜けなしに聞いていますと。

お年寄り:「1軒目はね、家の中に入ってみたらね、夫も息子も立ったままじゃないと寝れないような家だったのよね~。」

職員:「えええー!!立ったままじゃないと寝れない!!?」と驚きます。
心の中では「そんな家って!!?めちゃくちゃ寝室が細い家!!?窮屈すぎない??トイレやお風呂はついていたのだろうか?台所は??なんにしろそんな家見たことはないし、存在自体危ういぞ!!誰がそんな家に住んでいたんだろ??」等々、1軒目の家を想像して、含み笑いをこらえます。

17

みんなの含み笑いをよそに物件探しの話はまだ続きます。

お年寄り:「でね、2軒目はね、家の中に一回入ってしまったら、出てこられない家だったのよ~。」

職員:「ええええー!!今度は出られない家!??」と驚きます。
心の中では「じゃあどうやって出てきたんだろう??迷宮?迷路みたいな家??広さは?外からカギがかかるの??」等々、1軒目同様にその家のことを想像しては、笑いをこらえます。

お年寄り:「そしてね、3件目はね、、。」

職員は心の中で「ついに3件目!!次はどんな面白い家だろう!?」とそのお年寄りの口から出てくる言葉をワクワクしながら耳をすませます。

16

お年寄り:「3軒目はね、入るところがない家だったのよ~。」

職員:「えええええー!!入るところがなかったんですか??!」と一同驚きます。心の中では「それは果たして家と言えるのか??もはや家とは言えないよね。外観だけ見てきたってこと??廃墟??ただの大きな箱だったりして?」等々、これまでの積み重ねもあり、ついに笑いをこらえることができなくなり、腹を抱えて大笑いしてしまいました。

12

お年寄り:「だからね、今、私には住む家がなくて宙に浮いているの~!!わ~い!!」と言って両手を掲げて万歳され、これでもかというくらいに幸せそうに笑っていました。

04

職員:というか、そんな家ばかり紹介する不動産屋さんって、、うん、、けど面白い物件かも!貴重な体験ができるかも!とか思いつつ、このお年寄りの今が幸せそうなので、万事OK!!ですね(笑)

素晴らしき想像力とこの爆発的な世界観に出会えるのがこの仕事の魅力の一つですね!!しかも、話をしているお年寄りはとても真剣なのです。お年寄りが真剣であればあるほどに、こちらも真剣に話を聞き、そのオチの深みにはまってしまいますよね。

それでは、このお年寄りが出会った物件よりも面白い「家」のお話を持ってるよ~という方!ぜひお聞かせくださいませ。お待ちしております。

春の惠

第2宅老所よりあいにやってきた春の惠をまとめてみました。

毎年第2宅老所よりあいの駐車場にはつくしが生えます。去年の内にしっかりと草刈りをしていたので今年も豊作です。収穫したつくしのはかま取り。

IMG_4253

「子供の頃によくやってました。もう何十年ぶりだろう⁉いや~楽しかった~」ヒロシさんは懐かしむように語ります。

終わった後に写真を撮りませんかと聞くと、「ぜひお願いします」と気持ちよく応じてくださいました。

IMG_4254

次に色々な柑橘類が持ち寄られます。

職員が実家からもらってきた、世界で一番大きい柑橘類と言われている晩白柚。

IMG_4306

人の顔よりも大きく、カズコさんも「大きいね~」と新鮮な驚きがあります。

晩白柚は皮が分厚いので職員が皮を剥いて皆さんに食べてもらったのですが、実はこの剥いた皮も砂糖と一緒に煮て少し乾燥させると、晩白柚の皮の砂糖漬けが出来るのです。

私も初めて食べた時にびっくりしました。

手間をかけると、本当に無駄が無く美味しく食べられます。

IMG_4265

味は柑橘系特有の酸味と砂糖の甘さが丁度良く、大成功しました。

お年寄りに知恵を借りながら一緒に作ることで、完成度は更に上がります。

あっという間に全部食べてしまいました。

今度は食べる恵から見る恵へ。桜の花が見ごろを迎えると、毎日のように出かけました。

IMG_4317

近くの学校の桜を観に行きました。桜の木もですが道路に落ちた花びらを見て

ミキノさん「きれ~~」と立ち止まります。

IMG_4315

また、第2宅老所よりあいには、以前来られていた方のご家族から頂いた鉢植えの桜があります。

カズコさんが外に置いていてあるのを見て「あの花なに?綺麗ね」

職員が目の前まで持ってくると「あ、桜!綺麗ねー」嬉しそう。

ひとつひとつの出来事を、旬を五感で感じ合い、みんなで満喫しています。

 

宅老所よりあい、第2宅老所よりあい、よりあいの森ではお年寄りと一緒に暮らしを創る、支えてくれる職員を募集しています。

介護を難しく考えず、興味のある方はお話ししてみませんか?

梅の実

お年寄りを自宅に迎えに行ったときのこと。

「今日もカンカン照りだねー、天気がいいねー」

お年寄りに言われた僕は空を見上げました。

「ほんとそうですね、気持ちがいいですねー」

そんな会話をしながら、ふと庭の木に目をやると梅の実がポツポツと実っていました。

IMG_E7770

「もう梅の実がなってますよ!」

「ほんとねー、でもまだちっさいねー、あははは」

小さくて可愛らしい梅の実を見ながら、季節の移ろいを感じることができました。

去年もこの梅の実を収穫させてもらい、梅シロップにして皆で美味しくいただきました。

例年通りならば、6月頃には収穫できるかも!

今年は梅の実で何を作りましょうか?

梅シロップはもちろん、梅干しに挑戦してみるのもアリか!

そんな妄想を膨らませる、送迎でのひとときでした。

 

Screenshot_20240228-163033~2

宅老所よりあい(地行)、よりあいの森にて一緒にお年寄り達の暮らしを支えてくれる介護職員さんを若干名募集してます!
介護職員・夜勤あり【宅老所・よりあいの森】
↑ 細かい情報になります。
ご興味のある方は見学からでも構いませんので、ご連絡いただけたらと思います。