毎年恒例の焼きそばづくり

6月1日土曜日。快晴。最高気温27度。

よりあいの森の近隣地域の高等学校の文化祭で焼きそばの模擬店を出店した。

朝の9時から準備を始めたものの、、11時30分、販売テーブルの前には長蛇の列ができていた。

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売り子を担当してくれている子から「早く焼いてください!在庫がなくなりました。めっちゃ待っている人がいます!」と焼き手に伝えられる。

焼きそばのパック詰めを担当している大学生達からも、長蛇の列を前に焦りの表情が見られる。

大学生が列に並ぶ人数を確認に行った。 「75人です!!」

焼きそばは45センチ×90センチの鉄板を二枚と、五徳を四つ使ってフル回転で調理している。その報告を聞き、手は休めず、目だけで長蛇の列を確認する。最後尾が見えない列に焼き手にも焦りが募る。 しかし、いくら焦っても野菜やお肉に火が入る時間は変わらない。ありったけの力を加えて両手に持ったコテを鉄板に押し当てながら汗だくだくで調理する。

鉄板から伝わる熱は調理している腕やベルトのバックルをも熱している。 「熱い!」と嘆く間もなく焼き続けなければならない。なんせ75人のお客さんが待っているのである。

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やっとの思いで焼き終えた20人分の焼きそばを鍋に移すと、トングを持って待ち構えている大学生やお年寄りのご家族が一斉にパックに詰め始める。

詰め終えた順に売り場担当の小学生がお客さんに食券と交換に控えていっていた。

焼いても焼いても、焼きそばの数は長蛇の列の人数には達することができず「急いでー!お客さんが待っているよ!!」と急かす声は続く。 文化祭の実行委員の方も並んでいる方々の列の整理に追われていた。「焼きそばを買われる方は一列に並んでくださーい!!」と何度も叫んでいた。

朝9時~15時まで休憩する間もなく、焼き続け、文化祭が終了する間際に、なんとか約束の500食を焼き終えることができた。

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よりあいの森が開所して以降、ありがたいことに、近所の高校が毎年のように出店の依頼をしてくださっている。

さらにありがたいことに、いつの間にか、前日からご近所のボランティアさん達が地域公民館の調理場を借りて当日の焼きそばの具材をカットしてくれるのが定例となっている。

さらにさらにありがたいことに、当日は、ご近所さん達、実習に来てくれている大学から先生と学生さん達、よりあいの森隣の古民家に集う「ちゃちゃルーム」の親子、そこに関わっている近隣大学の学生達、よりあいの森に暮らしているお年寄りのご家族、ご家族OB、職員の子供とその友達等々、前日と当日合わせて総勢27名もの方々の力を借りることができ成し遂げることができた。

お手伝いいただいたみなさま、この度は本当に本当にありがとうございました!

よりあいの森はこのように色々な方々とのつながりと協力があるおかげで、成り立っていることを実感することができた焼きそばづくりでした!(^^)!

mini 蚤の市

宅老所よりあいの片隅で

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ひっそりと

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「mini 蚤の市」を開催しております。

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そしてこちらでは

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しそにバジル、ぷちトマトを栽培しております。

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ドームや商業施設が近くということもあり、特に週末は抜け道として、宅老所よりあいの前を通る方が多くいらっしゃいます。

この「mini 蚤の市」を開催してからと言うものの、ふらっと立ち寄られる方も多く、よりあいから漏れ出てくる音に「なにか楽しそうな話し声が聞こえたから」と声をかけてこられる方もいらっしゃいました。

デイサービスや特養などといった高齢者施設は、その存在は知られていても、中で何が行われているのか?どんな暮らしがあるのか?という部分は思うように社会に伝わっていないのが現状です。

「mini 蚤の市」をきっかけに、今までになかった形での交流が増え、新しい手段でよりあいのことを発信できることを嬉しく思います!!

宅老所よりあいの近くを通りの際は、お気軽にお立ちよりください!

そして、ぜひよりあいの中の方ものぞいてみて下さい!

お待ちしておりまーす(^^♪

花の輪

今年も色とりどりのつつじの花がいっぱい咲きました。

広間から1歩外へ出ると迎えてくれます。

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第2宅老所よりあいのウッドデッキに散り始めた花を「きれいねー」とカヲルさんが拾い始めました。

拾い集めた花をどのようにしたら良いか困っておられたので、職員が紐を持って行き花に紐を通しましょうと提案。

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「そうしましょう」手際よく花に紐を通し始め、綺麗な花の輪が完成しました。

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出来た花の輪を首にかけ、とても似合ってますと言うと、「そう?なんか恥ずかしい」満面の笑顔で答えて下さいました。

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すると、それを見ていたチエコさんが「あら~、いいわね~」と言うので渡すと、首につけるのではなく頭に冠のようにかぶって大笑い。周りのみんなも、その姿にクスクス笑われています。

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「いや~、女性は花が良く似合いますね~」「ハワイから来られたのですか?アロハ~」冗談も飛び交い、広間の注目が集まります。

カヲルさんもチエコさんを見て「きれいです。」と満足そうでした。

見て感じ、身に着けて感じる。花の楽しみ方も工夫次第で広がります。

ゆっくり流れる時間の中での楽しいひと時でした。

 

第2宅老所よりあい・宅老所よりあい・よりあいの森では一緒にお年寄りの暮らしを支えてくれる職員を募集しています。

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気軽にご連絡下さい。お待ちしております。

電子コンベック!?

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宅老所よりあいの台所にある、ちょっと変わった電子レンジ。

正式な名前を「電子コンベック」とか言うらしい。

※電子レンジとガスオーブンの機能を併せ持っている。

その佇まいは決してピカピカで、最新の機能を搭載したものではないのですが・・・。

宅老所よりあいに食事(調理)ボランティアに来てくださっている方から、こんな話を聞く機会がありました。

「このレンジはね、昔ボランティアをしていた方が体を悪くして、料理を作ることができなくなったから、『私の代わりね』と言って寄付してくれたものなのよ、だから大切に使わないとね!みんなにも教えといて!!」

このレンジはかれこれ20年近く宅老所よりあいの食事作りを支えてくれているということになります。これにはびっくり!!!

恥ずかしながら私はこの話を聞くまで、もっと多機能で、素早く温めや解凍できるものがあるのに!と思っていました。

 

宅老所よりあいは、今でも多くの方々から、様々な形でご支援をいただいています。

食事ボランティアの方々のおかげで、私たちはお年寄りと過ごすために人員をさくことができ、お年寄りのペースやリズム、タイミングを大切にしながらケアをすることができています。

そしてなにより、お年寄りと一緒に食卓を囲み、美味しいご飯を食べながら、お腹も心も満たすことができているのです。

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この場をお借りして改めて、日々のご支援に感謝申し上げます。

ありがとうございます。

そして宅老所よりあいでは、現在も食事ボランティアの方を募集しております。

あああ

このブログを見て、興味をお持ちの方の連絡をお待ちしております!!

見学からでも大丈夫です!よろしくお願いします(^^♪

「すんなり」

サダコさんは、10日間程入院され、今月初旬に無事に退院することができた。

職員達の喜びようは、わっしょいユニット広間に貼られた「おめでとう!」の幕を見ればわかる。退院祝いのメッセージは、一人だけでは満足できなかったようで、示し合わせたように2枚!別々の職員が書いた幕が壁に貼られていた。

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入院前のサダコさんは、夜のパットを交換するときや、体の向きを変えるとき等、こちらが体を触ろうとすると手を振り払われる程に嫌がられる方だった。そのため、夜勤者は、嫌がることがないように、細心の注意を払いながら関わっていたり、時間をずらして再度関わることもしばしばだったのだが、、。

退院してきてからというもの、「すんなり」と体の向きを変えさせてくれるようになってしまった。なんの抵抗もないのだ。

「すんなり」と関わらせてもらえることは別に悪いことではないのだが、、なんだが、されるがままのサダコさんは、サダコさんじゃないような気がした。サダコさんらしくない、、感じ。

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退院から10日ほどがたった朝の申し送りで夜勤者が報告した。

「今日は寝ている体の向きを変えようとすると、入院前のように体に触れた手を振り払われました。あ~なんだかサダコさんらしさが戻ってきたな~、元気になってきたんだな~と嬉しく感じました」と話していた。

夜勤者としては、体に触れただけで嫌がられてしまうと正直わずらわしさがあったりするのだが、「すんなり」言うことを聞いてくれるようになったサダコさんよりも、嫌がり、抵抗されるサダコさんの方がサダコさんらしくて嬉しく感じたのだった。

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老いてくると段々とこちら側からの関わりを割と「すんなり」受け入れてくれることが増えてくる。「食事」「お風呂」「お手洗い」等、全てにおいての行為を身を任せてくれるようになってくる。

「すんなり」と身を任せてもらえるまでの過程は人それぞれで、ゆっくりゆっくりだったり、突然その日がきたりするのだが、「すんなり」な時期が来た、ふとした瞬間にこれまで関わってきた日々を思い、なんとなく寂しい気持ちになる。

あ~一緒にトイレに行くことも「すんなり」と受け入れてくれるようになったのか、、あれだけ嫌がっていたのにな~、あ~お手洗いの時のズボンや下着の上げたり下げたりもすんなりとさせてもらえるようになったのか、、こっぴどく怒られていたのにな、、と思う。

例えが適切がどうかはわからないが、親離れをしていっている子供の成長をみているような。爪を切ったり、耳垢とったり、歯を磨いてあげたり、ひらがなを教えてあげたり、、そういったことをいつの間にか自分でするようになって、親の手が少しずつかからなくなってきた時のような、ちょっと嬉しくも切ない感覚?感情?に似ている気がする。

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実は入院をきっかけに「すんなり」「されるがまま」系?となって退院してくるお年寄りは多い。

サダコさんは10日間程の時間はかかったが、少しだけサダコさんらしさを取り戻してくれている。「すんなり」になるには早すぎる!!これまで時間を共に過ごしてきた自分としては、そんな人柄でもある気もする。

決して「老い」を認めていないわけではないし、できないことが徐々に増えてしまうことは当たり前のことで、関わっている自分達もそれぞれの方が老いていく過程は受け入れていかなければいけない。そんな風に頭では理解しつつも、その方らしさを取り戻せた時とか、その人らしさを不意に取り戻した瞬間に、大きな喜びを感じてしまう。

あるがままの「老病死」を認めつつも、「すんなり」な方になってしまうことが何だか寂しくなると言うのは、矛盾しているのかもしれない。

中には早く「すんなり」になってくれないかな~とか思う方がいることもあるが(笑)

そんな方でもやっぱり「すんなり」になってしまうと、なんだか「らしくない」じゃない、、とか思ったりもする。なにより「すんなり」いかないことがたくさんあればあった人ほど、後々の苦労話エピソードがより色濃くもなったりするもので、、。

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「すんなり」いかない時の葛藤と、「すんなり」いくようになってしまった時の寂しさについて色々と思いを馳せることになった朝の申し送り。

何はともあれ、少し老いの階段を降りたサダコさんではあるが、その段差は最小限だったようだ。よかったよかった。