日々の実践をするうえで、宅老所よりあいの頃から大事にしていることがあります。
お年寄りをたらい回しにしない。
隔離しない。
縛らない。
薬漬けにしない。
おしっこうんこはトイレでしたい。
食べ物は口から食べたい。
できれば一人ぼっちではなく、気心しれた仲間と味わいたい。
そして、時にはその仲間たちと季節を楽しみたい。
最期は穏やかに寿命を迎えることのできるように努めます。
上記のことをお年寄りと関わる上で大切にしています。
な~んだ、当たり前のことばかりじゃないか…と思われるかもしれません。
先日、入居されたお年寄りは、この全てを入居、入院した先々で逆の意味で網羅されてきた方でした。
この方は、他のお年寄りの部屋に入る、暴言を吐く…という理由でいとも簡単に向精神薬が処方され、その量は月日とともに増していきました。
大量の薬を処方する前に、自分達の支援や体勢を十分に振り返る機会があったことを切に願います。
そして、行く先々で同じような対応を受け続け、辿り着いた場所は精神病院でした。
何もない真っ白な壁に囲まれた四角い空間(病室)で過ごしたこともあったと聞きます。
重大な罪を犯してしまった人でさえも、もっと人権が守られているような気さえします。
また、口から食べてもらえないとわかると、鼻腔栄養が待ち構えていました。
栄養を流すための管を抜くからと両手には手袋(ミトン)。
手袋の中には指を動かせないように発砲スチロールのような物がたくさん詰まっていました。
さらにその両手をベッド柵に縛られてガンジガラメ、身動きがとれない状態となっていました。
②へと続く