道子先生

先日、道子先生が天寿を全うされました。

道子先生とは地行よりあいからのお付き合いでしたので、かれこれ5年位になります。小学校の先生をされてあったこともあり、厳しく、優しく、時にはご指導してくれる方で、とても暖かく包容力のある方でした。

5年ほど前に入院されていた道子先生。「口から食べることは自殺行為ですよ。」とお医者さんから胃婁を進められました。しかし、入院中の「メロンを食べたい。」「熱いお茶が飲みたい。」との道子先生の願いを叶えたい一心で、家族、職員の合意の元、看取りを覚悟で退院してきました。

退院後、ほんの何口かのお茶を飲み、大好きなメロンを食べられました。あの時の何とも言えない幸せそうな表情が今でも瞼の裏に張り付いています。

その後1日1日、タイミングを見ては大好きなメロンを口に運び、お茶を飲みました。時には常連であった「たつき」にて出前の寿司を頼んで食べました。職員もここぞとばかりに便乗して美味しく頂くことができました。そんな日々を繰り返しながら、少しずつ少しずつ元気を取り戻していきました。

あれから5年ほどの月日が流れました。その期間、時折体調を崩され、食べることができない日もありました。食通な方でしたので、職員は手を変え品を変え食べてもらえそうなおかず、果物、ゼリー等を用意しました。

そんな道子先生も先月より、1日1食、2日で1食、食べ飲みできることがやっととなりました。24時間、どのタイミングでも食べ飲みできることができるように関わり、この1カ月を乗り切りました。

しかし、お別れはやってきました。

甥子さん夫婦に見守られ、関わり深かった職員全員を呼び寄せ、最後の一呼吸を終えました。本当に大往生でした。大好きなメロンもこの5年間でたくさん食べることができました。

道子先生からは、口から食べることの喜びやこだわりをしっかりと教わりました。その教訓が、今、現場で活きているような気がします。

これからもよりあいの森で過ごされる方達が、穏やかな寿命を迎えられる場所として、日々の暮らしを共にしていきたいと思います。

道子先生、たくさんの思い出をありがとうございました。

ニッコリ笑ったあの笑顔がみんな本当に大好きでした(^-^)

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