「谷川俊太郎をうたう」歌のプレゼント

先日、第2よりあいでDIVAコンサートが開催されました。

今回のコンサートは、福岡ひかり福祉会を支えてくれている地域福祉ボランティア「ケケコの会」からプレゼントしていただいたものです。

「ケケコの会」は、よりあい・ひかりの職員、元家族、ボランティアで構成されています。

3か所のよりあいのお年寄り達、職員、日頃第2宅老所よりあいに関わって下さっているボランティアさん達で会場の第2よりあいはすぐに満席となってしまいました。

コンサートは言うまでもなく最高でした♪♪

爽やかな秋晴れの中、吹き抜ける風も心地よく、染み入るように響く谷川さんのピアノ、大坪さんのベース、まこりんの歌声…。

ゆっくりゆきちゃん

伯爵夫人

さようなら

遠くへ

かえる

よりあいの歌

谷川俊太郎さんの詩が歌になってみんなの耳に届きます。

本当にとても良い時間でした…。

 

この場所に人が集い、久しぶりの再会や、新しい出会い、歌を通じて同じ感覚を共有する。

第2宅老所よりあいがたくさんの方々の応援や寄付等で作られた場所であることを、今回のコンサートを通じて改めて実感しました。

そして、この場所に第2宅老所よりあいができた当時を知る人たちと、一緒に時間を過ごせることがいかに貴重であるかを気づかされる集いにもなりました。

今回は「ケケコの会」からのプレゼントによるコンサートでしたが、今度は第2宅老所よりあいが直接DIVAをお呼びし、今回、足を運べなかった方々へもDIVAの歌を届けたいと考えています。

 

この度は「ケケコの会」の皆さん、こんなに素晴らしいプレゼントをありがとうございました。

付き合うこと

「私、ちょっと…」とK子さんが小声で職員に目配せをする。

職員が「どうしたんですか?」と聞くと、「主人の所に行かないといけないから、私、帰ります。」とK子さん。

「え~!?まだいてくださいよ~!!」とお願いするも、スッと立ち上がった。

職員は少しの期待を込めて(お手洗いかな…?)と考え、誘ってみるが、

K子さんは「いいえ大丈夫!」と縁側から出ていき、靴を履いて歩きだした。

「暑いから車で送りますよ!」と職員が声をかけるが、「大丈夫だから!!」とどんどん歩みを進めていく。職員も一緒についていく。

・・・K子さん、一緒に歩くことは受け入れてくれたようだ。

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K子さんは大きな道路沿いの歩道を迷いなく突き進む。

暑さでK子さんの額から汗は流れ落ち、同じく職員も汗でびっしょり…

職員の方が先に根を上げてしまいそうでした。

(どこまで行くの…?どうやって戻ろう…?)

一緒に歩く時間を楽しむ余裕もなく、必死に知恵を絞りだしていたことは言うまでもありません。

 

スーパーの前を通った時に、「ちょっとここで休みませんか?」と誘うと

「いいわよ。」と付き合ってくれた。

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アイスを買い店内で食べていると、途中で立って行こうとしたので、

「歩きながら食べますか?」と職員が聞くと、

「ダメよ!!フェアレディだから!!」と、K子さん。

・・・淑女たるもの、アイスを立ち食いするなんて

考えられなかったのでしょう^_~

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フェアレディK子さんと、イートインスペースで他愛もない会話をしながらひと休憩。

この時、K子さんとの間には暑い中を一緒に歩いてきた戦友のような、何とも言えない一体感が生まれている気がした。

 

ひと休憩したことで気持ちが変わったようで、帰りは職員についてきてくれ、無事によりあいに戻ってくることができた。

付き合った職員もほっと一安心^o^

職員が伝える道中の出来事を想像し、(自分だったら…)と共感したり、ヒヤッとしながら聞いている。

 

K子さんがなぜ『帰る。』と言うのか。集いの場に居たくないのはなぜか。職員は色々な角度から考えてみる。

上手くいく日もあれば、そうでない日もある。答えは見つからないし、ひとつではない。

だから私たちはK子さんと時間を共にし、付き合うのだ。

K子さんのことを知りたいと思うから。

 

後日、K子さんと二人でドライブをしていた時のこと。

「あなたでよかった~。やっぱり知った人の方がいいでしょう。」とK子さん。

存在を認められたようでうれしい出来事だった。

しかし、よりあいに戻ってきてしばらくすると、「(一緒に行ったのは)あなたじゃなかったわよ。」と言われ、「え~!!!」とずっこける(笑)

 

こんな風にお年寄りと時間を共にできることは、とても贅沢なことかもしれない。

多くの現場では、人員や時間に制限があり、業務をこなすことが優先になってしまいがちだ。

ゆっくり付き合いたい気持ちはあっても、答えられないジレンマを抱えているのではないだろうか。

よりあいは人員配置基準よりも多い職員体制を整え、この時間を保障している。

だからこそ私たちは、お年寄りと時間を共有できること、そこで起こる様々な出来事を楽しめる職員でありたいなと思う。

 

宅老所よりあいにて一緒にお年寄り達の暮らしを支えてくれる介護職員さんを若干名募集してます!
介護職員・夜勤あり【宅老所よりあい・よりあいの森】
介護職員・夜勤なし【宅老所よりあい】
↑ 細かい情報になります。
ご興味のある方は見学からでも構いませんので、ご連絡いただけたらと思います。

“その歌”は

ある日のことでした。いつものように集いの場で、皆さん新聞を読んだり、おしゃべりをしながら過ごしていました。

その中で、フサエさんが”その歌”を突然歌い始めました。フサエさんが歌うのは決して珍しいことではなく、”げんじ唐いものうた”という十八番の歌があります。

けれど、”その歌”は初めて聞く歌!!

「これ、何の歌?」フサエさんと付き合いの長い職員も聞いたことがないのです。周りにいた職員がざわつき始めます。

「フサエさん、もう一度歌ってください」と隣にいる職員がお願いすると、フサエさんはまた歌い始めてくれました。

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「あめのひ かぜのひ やしないし たかやけんじのいきみずや うぶすのかみのさもあらず われらにしょうりはきっとあり いわえきたえし うちのうら いわえきたえし うちのうら」

早速、職員は歌い出しやメロディを検索するのですが全くわかりません。周りのお年寄りに尋ねてみても、誰も知りません。

「しょうりはきっとありってあるけん。軍歌じゃないと」と一人が言います。すると誰かが軍歌で検索します。けれど、これも出てきませんでした。

「うちのうら」はフサエさんの故郷です。今度は「うちのうら」をキーワードに調べましたが・・・、わかりませんでした。

この日は何度フサエさんに歌ってもらったでしょうか。聞いていた職員も覚えてしまうほどでした。けれど、結局何の歌かわからないままでした。

夕方になって、フサエさんをお迎えに娘さんが来られました。”その歌”について職員が娘さんに尋ねると、それはなんとフサエさんの小学校の校歌なのでした。

Σ(゚Д゚)!!

私たちは、今日一日のモヤモヤがすう~と晴れていくような気持です。そして娘さんも一緒に、もう一度フサエさんの”その歌”を皆で歌いました。

あれから、一年近くが経ちます。フサエさんは今も時々”その歌”を歌います。歌い始めると、職員も他のお年寄りも一緒に歌います。あの日から、”その歌”は、私たちも知っている歌になりました。

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